英語の社内公用語化は意味ないでしょ!

今朝、こんな記事を見つけて読んでみました。

「英語の社内公用語化」ブームが、密かに失敗に終わりそうなワケ(by 大原 浩)

上記の内容、大筋では「確かにね〜」という感じ。
普段の生活で使用するのであれば、いかなる言語もコミュニケーションツールです。
使い方の上手い下手はその人の能力と努力に比例します(包丁使いと一緒)。

要は、その道具が好きなら練習するので上手になるし
興味ないなら練習しないので、その道具自体がタンスの肥やしになるってだけ。
これ、ホント、必要か必要じゃないかよりも
好きか好きじゃないかが先にくる類いの便利道具なわけですよ。

好きであれば、それを使って仕事ができるくらい努力します。
ただ、あくまでも道具なので、その道具と仕事の兼ね合いを考えます。
私のように言葉と人が好きで翻訳や通訳を生業にする人もいるでしょう。
そうでなければ、本業の補助的道具として活用する人もいるでしょう。

実際に私が過去に幾度となく経験したのが
レコード会社が用意した帰国子女さんによる通訳の取材の文字起こし。
取材者の日本語を理解できない、取材対象者の英語を日本語にできないという
往復の道筋が山中のケモノ道状態で、逆に笑っちゃいました。
だって、話の噛み合わなさ具合がコスモ的というかなんというか……。

これも私の経験なのですが、取材を受けるミュージシャンというのは
下手な通訳であっても、その人の英語や質問者のカタカナ発音で
聞き取れた単語を手がかりに、自分の考えを言うことが多いんです。
取材って話題が決まっていることが多いので、それができちゃうんですよ。
(取材者も「〇〇に関して質問します」と最初に言う人が多いです。)

ときには、質問者のカタカナ英単語だけで質問を理解して
通訳を介さないで答えを言い出す勘の良いミュージシャンもいます。
その答えを聞きながら、質問者が求める答えからちょっとはずれているときは
通訳であるこっちが合いの手で軌道修正すると、テンポの良い会話になります。

こんなふうに、プロの通訳・翻訳になれる下地を作った人というのは
現場でお金を頂きながら細かい技術を習得できるのが普通だと思います。
それができないのなら他の道を探すのも一つの手でしょう。

あと、子供の将来のために英語を学ばせる親御さん。
子供の母国語がある程度固まってからでも遅くはありません。
軸足となる言語と文化がないと、他の言語も文化も理解できませんから。
また、外国語は英語だけじゃないですよ〜。

映像翻訳をしていて思うことは
日常会話では大抵が相手の言葉を半分くらいしか聞いていないこと。
こっちはそんな状態の映像の発言を一字一句文字起こしするので
「マジ、わかんね〜!😱」と頭をかきむしりたくなることが多々あります。

ほんと、外国語云々の前に、みなさん、自分の足元を固めましょうよ!
日本語でどれだけしっかりとコミュニケーションできているのかを
一度自分の会話を録音して確かめてみることをオススメします。
母国語の会話能力と第二外国語の会話能力は確実に比例しますので。

さて、今日も地味にお仕事がんばります♪
今日のBGVはこれ。

 



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