『君の名は。』を読んでみた


最近気になっていたアニメ映画『君の名は。』を見る前に
監督本人が書いたノベライズ版を読んでみました。

ネットで読んだ誰かのブログに書いていた通り、3時間弱で完読。
文章の書き方、文の並べ方、句読点のつけ方などが独特で
頭の中の映像化トリガーが容易に刺激されるので驚きました。
映像作家が文章を書くとこんな風になるのか、と。

これは映像作家特有のことではないと思うのですが
とにかく句読点が少なく、漢字も少なく、ひらがなが連なるので
読み易さを念頭において句読点をつける文章に慣れている私にとっては
少し読みにくい書き方なのです。
Twitterでよく見られる句読点なしの文章が続くと想像してください。

ところが、読み進めていくうちに気付いたのが
この「句読点なし」が奇妙なスピード感や臨場感を出すということ。
物語が高速で展開する場面では効果覿面でした。

緩やかに展開する部分では
少し句読点を増やして読むスピードを減速させた方が
目に優しい(読み易い)し、言葉がじっくり入ってくるのになぁ。。。

「ふ〜ん、こんな書き方があるんだなぁ」と思いつつ
ノベライズ版を読み終えた直後に確認した、翌日の対面取材用の質問リストで
21世紀的日本語の書き方を再び発見。
今回初めて取材を一緒に行う若手編集者くん作の質問リストです。
つーか、「えっ? これで編集やっていいの?」とすら思いましたわ(汗)。

たぶん、上手い言い回しを探して書いたのでしょうが
言葉の使い方を間違えているし、意味が曖昧なまま使っているようだし
口語の丁寧語が混じっていて気持ち悪し……。

当日現場で会ったその雑誌の編集長曰く
「あれでも何度も直させて、かなりスッキリさせたんですよ。」
更にそんな21世紀スタイル文面の編集者くんは30歳とのこと。
マジっすか!!!!!

上手い文章を書くことを目指す前にやるべきことは
意味や使い方が曖昧なら辞書で確認することだとは思うのですが
実際にその編集者くんに会ってみて、けっこう鈍感な人のようなので
何を言っても無駄だな、と(苦笑)。

五十路の私でも知らない言葉はたくさんあるので、ちょくちょく調べます。
今朝もある記事の中で接続語の「とまれ」を初めて見て、早速調べました。
「ともあれ」の誤字だと思ったのですが(ネット記事は誤字脱字が多いので)
これは間違いや誤字ではなくて、「ともあれ」の音変化とのこと。

小説版『君の名は。』の書き方は意図的なものだと推測できます。
しかし、件の編集者くんの場合は、文章力に自信を持っているがゆえの
思い違いであり、痛い間違いと言える気がします。

SNSで短い文章を書くことに慣れ、誤字をスルーすることに慣れた世代が
今後どのような長文を書くようになるのか興味津々ですわ。

さて、来週は映画『君の名は。』を観に行くつもりでーす。
平日動けるフリーランスって、こういうときに便利だな〜(笑)。



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