匿名は悪口装置

昨日Yahoo!ニュースで翻訳仲間が訳したBTSの記事を見つけて
ヤフコメをチェックしたら「BTSは丁寧に話しているはずなのに
タメ口になっているのはおかしい」旨のコメントがありました。

その記事のリードには以下の記載あり。
「ローリングストーン誌インド版のインタビューの完全翻訳」

つまり翻訳前の元原稿は英語のはずです。
この場合、編集部から「ですます調で」という指示がなければ
翻訳者はいつも通りの翻訳をするので普通の口調になります。

一人のアーティストやグループを集中的に追いかけているファンとは異なり
翻訳者はさまざまなアーティストのインタビューや関連記事を手掛けるわけで
不明点をネットで確認しても、ファンレベルの知識には到底届きません。

そこで威力を発揮するのが編集者の手腕。
担当者がアーティストの傾向を把握していれば、事前に的確な指示もあるし
翻訳文のチェック時点でもリライトや編集が可能なわけです。

つまり、翻訳者と編集者は二人三脚で1本の記事を完成するということ。

私にもファンレベルには程遠い知識で翻訳した本が2冊あり
片方は「〇〇をよく知っている翻訳者がファンを気遣いながら訳した本」
もう一方は「◇◇を知らない翻訳者が訳した酷い本」
と、レビューが見事に分かれました。

これには実は編集者とページ数の違いが大きく関係しています。

前者は250ページ程度の一気読みできる分量の本。
後者は450ページ程度で内容の濃い一気読みできない本。

前者の編集者は校正時に言葉遣いや裏とりを細かくやるタイプ。
後者の編集者は校正時に言葉遣いを主に直してくるタイプ。

そうです、編集者が校閲まで行うか否かの違いです。
良し悪しではなく、これは編集者のスタイルの違いなだけ。

さらに、仲良し編集者の一人も言っていたのですが
長編の校正は気力が十分なときに一発勝負でやるのがベスト。
ダラダラ続けるとゲシュタルト崩壊しちゃうんです、マジで。

とは言え、読者は最終的な形のみ接するわけです。
作る側は持てる全ての力を使って完璧を目指してやっていても
熱狂的なファンはとにかく重箱の隅を突っつくように粗探しして
小さなミスを叩いては己の嫉妬心を満足させていると思われます。

これは匿名だから簡単にできることで
名前と顔を晒して見ず知らずの他人を叩ける人がいたら
ぜひ名乗り出てほしいです。

そういうことなので「匿名は悪口装置」。
それが大好きな人が世の中に多いのも理解できますが
自分はそんな卑劣な人間にはなりたくないですね。

「人を呪わば穴二つ」ですから(^_-)-☆

今日も1000ワード弱の記事翻訳があります。
BGMはMartin Goreの久々のソロアルバム『MG』。

MG - MG (Full Album)

インストなので仕事にもってこいです♪
さて、今日もがんばりま〜す。



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