刺激的な通訳🎭

先週の土日は久々にオンサイト通訳のお仕事が入ったので
土曜日はドキドキしながら収録スタジオに向かいました。

この仕事、番組収録中に海外の映像を見るので
出演者が英語の意味を知りたいところで通訳するというお話でした。
とはいえ、通訳が発生すると思われる映像を事前にもらっていたので
全部で5本、2回ずつ見て予習して行ったわけです。

がー、しかし、収録用の台本を見たら……

ほぼ各ページ、タイムコードの横に“翻訳(同時通訳)”の文字あり。
 心の声「えっ? 同時通訳? ええっ? 何なに???😨」

そして、収録は最初から最後まで一発撮りと言われ……。
 心の声「えーーっ、マジか? ミスって流れ壊したらアウトじゃん!😱」

……パニックしながら状況を把握しようとしている最中に
数分の打ち合わせが終わり、あっという間に1本目の収録スタート。
冒頭から自分的には放送事故レベルの通訳だったので
収録中、“翻訳”がお休みの間に2本目に向けての対策を考えました。

ちなみに私は同時通訳の訓練は受けていないので、同通はできません。
つーか、世の中、まだ同時通訳と逐次通訳の区別ができていなくて
通訳なら何でも出来ると思いこんでいるんでしょうかね?

さらに、今回のネタがビデオゲームという私には未知の世界。
「???」な単語や固有名詞が頻発するので
可能な場合はそれを上手く外して日本語にする、か
不可能な場合はその意味や固有名詞を事前にリサーチする、の二者択一。

これに気付いた時点で、2本目の収録はベストを尽くすけど捨てました。
翌日収録の3本をちゃんとやるぞ、と。

1本目終了後、すぐにディレクターさんたちに相談して
「帰宅後、海外映像を全部訳して台本作ります」と宣言しました。
こんなレベルの仕事じゃギャラもらえないってくらいダメダメだったので
相手に「雇って正解」と納得してもらうことだけ考えてました。

帰宅後、夕飯を食べて少し休んでから翻訳を始めたら
午前2時を過ぎたので一旦寝て、6時過ぎに起きて残りを完了。
4時間弱しか寝ていなかったけど、安心感が先にきて嬉しかったです(笑)。

上の翻訳作業中に通訳先輩&仲良しのMIKA姉さんに
「mikiちゃん、それは断って帰ってこないとダメよ」と言われました。
そして、昨日、状況確認の連絡をくれた翻訳会社の担当者に
「そういうときはいつでも僕に連絡下さい」と言われました。

実は、この両方とも、全く思いつかなかったんです、私😅
受けた仕事はきっちりこなす…しか頭になくて。

つーか、すでに出演者が現場にいて、収録準備ができていて
収録後の編集は翌日という状況で、現場放棄の選択肢はあり得ません。
週末でお休み中の担当者に連絡するのも……ないなぁ。

どんな仕事でも、受注したあとは自分の責任なので
よっぽど無理でなければ、知恵を絞ってベストを尽くせばいいと思います。

実際問題、通訳や翻訳を雇うということは
雇い主は外国語をほとんど理解できないということなので
通翻訳者の仕事内容を的確に説明できないのだと推測されます。
たとえ聞いていた内容と違っても、現場で相談し合えば解決するはずです。

たぶん、将来的に簡単な翻訳・通訳はAIに取って代わられると思いますが
そんな状況であっても通翻訳者として生き残るために必要なのが
人間にしかできない、この臨機応変の能力だと思うんですよ。

「話が違う」と相手を責めても解決しないし
雇い主が満足すれば、その後の仕事に通じるわけだし
翻訳会社の担当者にしてみれば、単価を上げる交渉が可能になるわけです。
少しの努力でウィンウィンの状況に好転するんですよ♪

そう言えば、今回新たに知った英単語が「body」。
収録初日の解説者さんがアメリカ人のお友達にLINEして意味を確認してくれました。

この「body」は動詞として使うのですが
「死体・遺体」の意味から派生して「息の根を止める」という意味なんです。
「Do you body him?」なら「彼の息の根を止める?」の意味。
格ゲー業界では「beat」や「defeat」よりも強い意味で使うみたいですね。

結局、2日目は楽しくお仕事してしまったので
初日の冷や汗と寝不足は楽しさ倍増のスパイスになりました。
こういう仕事、嫌いじゃない私はドMですかね?(笑)

そして、何かを初めて体験するときに
何故か必ずその業界トップクラスのパフォーマンスを目撃する私。
これはラッキーなのか? アンラッキーなのか? う〜む、悩ましい(笑)。



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