フローとストックと


お昼ご飯を食べた後に休憩していて、何の気なくテレビをつけたら
岸恵子さんと糸井重里さんの対談番組に遭遇しました。
これがかなり面白かったです。
70代と60代の大先輩のお言葉、五臓六腑に染み渡りました!

デラシネとして日本での生活の根を自ら引っこ抜いてパリに行き
縁あってそこで42年間生活した岸さんの考え方や感じ方を
糸井さんが上手い言葉でまとめつつ自分の意見も伝え
その球を受け取って話を展開する岸さん。
対談はこういうバランス感覚の優れた人が行うと本当に面白い!
ああ、そんな取材をやってみたひ〜 (^^;)

岸さんの過去にこだわらない生き方を“フロー”とするなら
伝統的な日本人の生き方はモノを備蓄する“ストック”とは言い得て妙。
岸さん自身、日本人には受け入れ難い生き方をしたと感じていても
新たに根を張った土地で艱難辛苦を経験して強くなった、と。
すかさず糸井さんが「植物でも荒地に張った根の方が太くて本数も多い。
逆に肥沃な土地だと細い根しか生えない」と最高の合いの手投入。

これを聞いて、日本の若い世代は肥沃な土地の植物だと思いました。
肥沃(情報も物資も豊富)ゆえ、太い根っこは要らないわけです。
そりゃあ、線の細い人たちが多いわけだ (~_~;)
まあ、そんな中でも自ら自分の根っこを引き抜いて
荒地に飛び込む強者デラシネが絶対数いるので憂いはないですよ♪

上の話以外に年を重ねる楽しさもお二人は語っておりました。
嬉々として「もう五十路だよ〜ん♪」と言う私を見て
「アホか、このオバハン」的に怪訝な顔をする人が多いのですが
喜ぶ私は間違っていないと改めて実感しましたね。

若いときには若いからこそできること、できないことがあり
年をとると年をとったからこそできること、できないことがあり
その内容が違うだけで、別に楽しさが半減するわけじゃないのです。
経年変化し続ける肉体だって面白いですよ〜☆

私は日本在住だけど、どうもフロー型に限りなく近いようです(笑)。
モノやお金に関しては備蓄という概念がほとんどないし
過去を面白可笑しい話にすることはあっても、こだわりはないし
孤独と自由は表裏一体と思っているので、孤独に取り込まれないし
周囲の人たちに誠心誠意尽くせる起爆剤もそこにあるし……。

自分に自信がない時期は自分以外の人やモノで周りを固めようとするけど
自分に自信がつき始めると不要なものはスッパリ処分できますね。
だって不要なモノや人を後生大事に持っていても柵になるだけなので
身軽に生きたいと思えば手放すのが一番なわけですわ。

ただ、目に見えない知識や経験や技術は柵には成り得ないので
興味を持ったものの知識は年をとっても貪欲に吸収してます!
そういう蓄積した知識や経験が面白い具合に絡み合うと
新たな扉を開くきっかけにもなるわけですわ。

岸さんも糸井さんも50代は知識や経験と自信のバランスが
とても良くなる時期だと言ってました。
ふっふっふ、この先、も〜っと面白くなるじゃないの (^o^)/
五十の手習いで何か新しいことを始めてみようかしら。

あ、でも、その前にこのキツ〜い腰痛に負けないで
テープ起こしを終わらせないと!
さて、もう一踏ん張りします。



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