字幕とCCは違うから😭

Pat Benatar - Love Is A Battlefield (Official Music Video)

やっちまいました。
勘違いで楽しみにしていたお仕事がダメに……。
こんな勘違いは初めてでちょいと凹んでます。

なぜか1985年のコロラド時代によくMTVで観ていた
上の曲をふと思い出して、久々に聞いていました。
今の私にはWork is a battlefieldかも。

今回の勘違いは、仕事を打診された際に伝えられた仕事の種類が発端。
簡単に言えば、字幕プロジェクトで打診されたものが
実はクローズドキャプション(CC)プロジェクトだったということ。

動画に字幕が表示されるとは言え、字幕とCCは全くの別物です。
字幕では重要な「秒数による字数制限」がCCではないのです。
ちなみに、CCとは基本的に聴覚障害者用として表示されるもので
字幕とのルールの違いは以下をご覧ください。


このプロジェクトはメンタルヘルス系アプリの動画用で
当初の説明では、英語のCCを日本のユーザー向けに字幕にする、と。
そのメーカーから提供された英文のスタイルガイドは
英語CCを日本語CCに翻訳するためのスタイルガイド」。

字幕プロジェクトと聞いていた私は素直に
「このスタイルガイドに沿って機械翻訳を字幕にすればいいのね」
と思ったわけです。

ここで「どうしてCC用のスタイルガイドなの?」と確認しておけば
その後の勘違いも作業前に解消できたのですが
お外に出る通訳仕事で忙殺されていたため、確認することすら思いつかず。

さらにメーカー側の準備の都合で、スタート時期も遅れていて
グロッサリーが提供されたのは作業開始後だったのですよ。
そして、この最初のバッチ(動画10本分)をメーカー内部の担当者が
レビューしてクオリティチェックすることになりました。

ところが、翻訳会社が翻訳者が作業しやすいようにと設定した
翻訳プラットフォームの仕様が仇となり、改行タグがてんこ盛りのうえ
機械翻訳をかけるので、タグが日本語訳の最後に全員集合😱
そのタグを英文のタグ配置を参考に再配置しなくてはいけない羽目に。
これが重労働で、翻訳会社が納期を1日延ばしたほどでした。

CCとしてMTPEするのであれば、1行の字数制限のみ考えればいいので
メーカーの求めるトーンに近づけることはできるのですが
「普通の字幕」と思い込んでいるため、タイムコードタグで秒数を確認し
1秒4〜5文字で字数を計算して、機械翻訳を書き直していました。

字数が制限される中で英文CCのメッセージを伝えるためには
簡潔な言葉や漢字を多く使うしかなく、そのジレンマで地獄の作業でした。

そんな状態で作った翻訳が気に入られるわけもなく
メーカー側のレビュー担当者の評価は
「機械翻訳クオリティ、スタイルガイド無視」とボロクソ。
当然、次の仕事につながることもなく、ここで終了(たぶん)。

ただし、最初のバッチで私が担当した分の訂正指示が出たので
一昨日の昼過ぎから昨日の昼過ぎまでの24時間で全部書き直し。
途中3時間仮眠を取り、飲まず食わずで20時間集中!(やればできる👏)
でもね、一昨日の時点ではまだ「字幕」だと思い込んでいたのですよ。

昨日の朝方に、ふっと他のリンギストの翻訳を読めば
ボロクソ評価を受けた理由を知るヒントがあるかもと思ったのです。
メーカー側レビュー担当者によるレビューが全員分共有されていたので
全員分を読んだところ、私以外、1行の最大字数以外の字数制限をガン無視。

「えっ? それでいいの?」と思いつつ
最初からやり直して、秒数による字数制限を緩めてリライトしました。
(これで再びダメ出しされれば、再度のリライト要請が来る予定なので
一銭にもならないけど、自分の勘違いの尻拭いとして粛々とやる予定。)

遂にこれはCCのMTPE作業だったと気づいたのが今朝
昨夜は夕方からゾンビ状態で、カウチでゴロゴロしながら
回らない頭で考えていたのですが、今朝起きた途端に「あっ!」
やっと辻褄が合ってスッキリしたのですが、時すでに遅し。

まあね、これも学びの一つだと思います。
あまりの勘違いに「これが老化か!?」と相当落ち込みましたが
些細なことでも注意を怠らずに確認することと肝に命じました。

というわけで、還暦+1でも、一晩だけなら「ほぼ徹夜」可能だと
実証してしまったことに驚いたBBAでございます。
いやはや、食欲も抑え込む自分の集中力がちょいと怖い。。。



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