虫の知らせ


日曜の夜、必死に6,700ワードの翻訳の後半をやっていたら
ドイツのElizabeth姉さんが珍しくスマホに電話してきました。

「どうしたの?」と聞いたら
「Marieが危篤なの」と。
すぐさま仕事を中断して、Skypeで話をしましたよ。

Marieとはコロラド時代に面倒を見てくれたアメリカの母と呼べる人。
私のアメリカの父であるDuaneは20年以上前に他界しているので
ここ10年くらいは息子のRonと一緒に老人ホームに住んでました。
私が最後に会ったのは 約10年前で、そのあと心臓の手術をしたので
時々思い出しては心配していたのです。

Elizabeth姉さんはコロラド時代にRonと同棲していた時期があり
エクアドル人の彼女にとってもMarieはアメリカの母なのです。
彼女がRonと知り合う前に産んだ子供達にとっては祖母的存在で
実際に彼らはMarieをグランマと呼んでいます。
危篤の知らせはデンバー在住のElizabethの息子から入ったようです。

昨夜は午後遅くに突然泣き付かれたナレーション原稿の英訳を
23時過ぎに完成して、脳みそを冷やしてから寝たのが3時頃でした。
なかなか熟睡できず、ウトウトしていて時計を見たら6時半。
まだ早いのでもう一度寝ました。

そしたら、夢の中にMarieが出てきました。
ウチの居間のソファーに座っていて、私が起床するのを待っていて
居間に入った私を見て、立ち上がりハグしてくれたんです。
私が泣きじゃくりながら「ごめんね、10年近く会ってなくって」と謝ったら
「No problem, Kiddo!」と懐かしい笑顔で言ってくれました。

そこで目が覚めたのです。
Marieの身体の温かさを相変わらず感じながらも
身体のあちこちがビミョーに痛くて重い感じがして
「なんか、嫌な感じだな」と思いつつ、コーヒーを飲みながら
いつものようにパジャマのままで仕事を始めたのです。

一通りメールチェックが済み、ブランチしようとテーブルを片付けていて
ふっと有線電話を見たら、電源の接触不良で電気が消えてたんです。
そこで受話器をしっかりと置き直したら留守電ライトが点滅し始めました。
再生したらElizabeth姉さんからでした。

「miki、昨夜Marieが死んじゃった。」

実はこのメッセージが入ったのは午前2時だったのですが
受話器の接触不良で呼び出し音が鳴らず
朝起きても留守電メッセージに気付かなかったのです。

でも、このメッセージを聞いて「ああ、やっぱり」と思いました。
コロラドからちゃんとお別れの挨拶に来てくれたんです、Marieは。
それも、自分が先に挨拶してから留守電を聞かせた気がしてならないんですよ。

Marieは子供に恵まれなかったけど、養女と養子を育て上げ
私やElizabethのように偶然知り合った外国人の面倒を
まるで本当の親のように見てくれた心の広い愛情深い女性でした。
人を愛し思い遣ることの素晴らしさを身をもって教えてくれた人です。
だから、おばちゃんになってからの私の英語はMarieのそれなのですよ。

私の右手の薬指にいつもしているゴールドのアンティークの指輪は
30年前にコロラドを離れる2日前にDuaneとMarieから貰ったものです。
内側に「FOREVER」と刻印されていて
「いつまでも私たちの娘だからね」と言って贈ってくれました。
私は日本とアメリカに両親が1組ずついる幸せな女なのです。

日曜の危篤の知らせで心の準備はできていたけど
元気なうちに会いにいけなかったことが少し悔やまれます。
でも、最後にちゃんと会いにきてくれたMarieに感謝です。
Thank you, Marie! I love you!! I miss you so much!!

先に天国へ単身赴任した父さん、業務連絡です。
Marieに会ったらちゃんとお礼しておいてください。
よろしくです m(_ _)m



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